癌(がん)治療にかかる治療費

癌(がん)治療に関わらず、治療には保険診療と自由診療、混合診療と3種類あります。

何が違うかと言うと、もちろん治療内容が違います。
じゃあ、みんな一番良い治療を受けたら良いと思うのですが、それを許さない経済的な事情も存在します。

この辺りではそれらの違いなどを説明して行きます。



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保険診療

保険診療はあまり説明が要らないと思います。

普段、皆さんが病院に行った際に受けている診療です。

日本は国民皆保険制度を取っていて、すべての国民が何らかの健康保険に入らなければいけないという決まりになっています。
自営業者なら国民健康保険で、サラリーマンなら社会保険に含まれる健康保険に入っています。

その保険に入ることによって、国が認めた治療方法なら保険組合が治療費の7割〜9割を負担してくれるという制度です。
子供などは自己負担はゼロです。

なので、1万円の治療を受けても、支払いは3000円で良かったりします。

その上、「高額療養費制度」という月の支払いの上限もあり、その額を超えると後からお金が戻って来たりする素晴らしい制度もあります。

ただ、医学は日進月歩で進んでいます。
新しい技術や治療方法は、保険の対象になっていないことが多く、癌(がん)治療では命にかかわることも多いので、保険の対象を超えた治療を選択する人も多く居ます。

主に、病院で医者に「余命何カ月です。」、「治療方法はありません。」と言われるのは、この保険診療においての治療を指します。

自由診療

自由診療とは、上記で書いた保険診療で認められていない治療方法です。

なので、効果が認められていないものや、効果が凄く有っても最新の技術で、実績が少ないものも多いという特徴があります。

それでも、保険診療において治療が出来なかったものが、保険診療外なら治療が出来るということも多くあります。

余命を言い渡された後に、完治したという例も多数あります。

じゃあ、始めから自由診療もやれば良いと言う風になるのですが、やはり経済的な問題が発生します。

保険診療外の治療なので、全て自己負担です。

3割で良かった治療費を10割払うというだけの話ではなく、自由診療では治療費も医者が好きに決めて良いので、普通の治療ですら超高額にすることも出来ます(そんな医者はいないと思いますが・・・)。

その他の大きな問題の一つに、自由診療にすると保険内の治療もすべて自由診療の価格になるということもあります(3割負担でなくなる)。
例えば自由診療で遺伝子治療を受けたとします。
その自由診療をうけた病院では、普通のブドウ糖の点滴ですら10割負担です。

じゃあ、自由診療を受けた病院ではその治療だけを行い、他の治療を他の病院で行うという風にすれば良いのですが、それを嫌がる主治医が多いとの話も多く聞きます。

主治医は自分の治療に自信をもって行っているので、他の治療を受けるということは自分の治療が信じられていないという思いもあったり、その他の病院での治療が自分の診療の妨げになるかも知れないという思いがあるからです。

例えば、他の病院で自由診療で免疫療法を行い、自己の免疫を高めたとします。

そして、メインの病院で保険診療で抗がん剤などを受けた時に、免疫療法によって抗がん剤の効果が薄れてしまうかも知れないという不安があります。
また、効果があったとしても、抗がん剤が効いたのか、免疫療法が効いたのか分からないので、今後の治療方法を選択しにくくなるという不安もあります。

なので、どうしても癌(がん)と宣告されたら、始めは保険診療で三大標準治療を行い、末期がんとなり、余命を宣告されてから自由診療に頼るという傾向が強くあります。

混合診療

混合診療とは、自由診療と保険診療を同時に行う時に、自由診療ではすべての治療費が全額自己負担になるのに対して、混合診療では保険診療外の治療だけを自由診療の価格で、その他の保険診療内の治療は保険を使うことが出来るという診療制度です。

主に歯医者などはほとんどがこの診療方法です。

自由診療の中にも種類があって、主に「高度先進医療」と呼ばれる治療などは、混合診療が認められていたりします。
その他には治験なども混合診療にあたるみたいです。

有名な重粒子線などは、すべての治療においてではないですが、混合診療が認められていたりします。

つまり、重粒子線の300万円だけは自由診療で、その他の治療は全て保険が効くという話です。

民間のがん保険などでも、高度先進医療に対して保険金が別途出ることもあるので、癌になったら重粒子線などを調べてみるのも良いと思います。