生存率

癌(がん)には、早期に発見しやすいものや、発見が遅れがちなものがあります。

もちろん早期に発見出来た方が、生存率も高まりますが、早期に発見出来ても、あまり生存率が高くない癌(がん)もあります。
早期では生存率が高くても、ステージが進むと著しく生存率が下がる癌(がん)もあります。

ここでは、5年生存率の割合を紹介しますが、5年生きている人の割合であって、再発して治療中などの人も含まれます。
従って、根治する人の割合はもっと低くなっているというのが、現実です。



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癌(がん)のステージ

癌(がん)のステージとは、癌(がん)の病期・進行度のことです。
つまり、癌(がん)がどれくらい進行しているのかという進行度合を意味します。

ステージ0から4まで存在していて、ステージ4が最も進行している(悪い)ということになります。

ステージの判定は、癌(がん)の大きさ(広がり)、リンパ節への転移の有無、他の臓器への転移の3つを組み合せて分類されています。

ステージ0とは、がん細胞が粘膜内(上皮細胞内)にとどまっており、リンパ節に転移はしていない状態のことです。

ステージ1とは、がんの腫瘍が少し広がっているが筋肉の層まででとどまっており、リンパ節に転移はしていない状態です。
ステージ2とは、リンパ節に転移はしていないが、筋肉の層を超えて少し浸潤(広がること)している。または、がんの腫瘍は広がっていないが、リンパ節に少し転移している状態です。

ステージ3とは、がんの腫瘍が浸潤しており、リンパ節転移もみられる状態です。

ステージ4とは、がんがはじめにできた原発部位を超えて、離れた他の臓器へ転移している状態です。



生存率一覧

 癌の種類  ステージ1  ステージ2  ステージ3  ステージ4
 食道がん  85.4%  51.3%  26.6%  11.6%
 大腸がん  99.9%  90.8%  81.6%  18.1%
 胃がん  97.2%  65.7%  47.1%  7.2%
 肝がん  57.3%  38.7%  15.5%  4.0%
 胆嚢・胆道がん  59.5%  27.1%  17.0%  2.8%
 膵がん  40.5%  18.2%  6.3%  1.6%
 喉頭がん  97.8%  84.9%  82.2%  46.4%
 肺がん  82.9%  48.2%  22.1%  4.9%
 乳がん  99.9%  95.2%  79.5%  32.6%
 子宮がん  93.9%  77.2%  57.1%  21.2%
 卵巣がん  89.1%  68.6%  39.7%  26.8%
 前立腺がん  100%  1000%  100%  62.0%
 腎臓がん  97.5%  81.6%  71.3%  18.5%
 膀胱がん  91.8%  73.2%  59.0%  17.4%
 甲状腺がん  100%  100%  98.9%  71.2%
 がん全体  91.6%  80.0%  48.6%  17.7%


多くの癌は早期に発見出来る程、5年生存率が高くなります。
逆に、遠隔転移があるステージ4になると、著しく生存率が下がります。

食道がん

2015年の羅患者数23,900人、死亡者数11,400人。

放射線治療が多く手術率は50%と低い。血流やリンパ流が豊富で転移しやすく、予後が悪い。

ステージが進むごとに生存率が悪化する。

ステージ別の羅患者数の割合はどのステージも同じくらいである。

胃がん

2015年の羅患者数982,100人人、死亡者数49,400人。

2014年までの羅患者数1位。
早期発見が多く、手術で治すことが多い。

早期あれば、生存率は高いが、ステージ3では50%以下、ステージ4では10以下となる。
6割近くが、ステージ1の段階で見つかっている。

大腸がん

2015年の羅患者数135,800人、死亡者数50,600人。胃がんと並んで羅患者数が多いがん。進行してから発見される場合も多いが遠隔転移のないステージ3までは、比較的に生存率が高い。ステージ毎の患者は同じくらいの割合で存在している。

肝がん

2015年の羅患者数47,300人、死亡者数28,900人。羅患者数は少ないが、手術率が低く、ステージ1でも生存率が低い。肝臓内に転移しやすく、早期で手術が受けられたとしても再発率が高い。

胆嚢・胆道がん

2015年の羅患者数26,700人、死亡者数19,200人。羅患者数は非常に少ないが、進行してからの発見が多く、手術率も低い。ステージ1でも60%ほどの生存率で、その後は著しく下がる。ステージ4での発見が一番多い。

膵がん

2015年の羅患者数38,700人、死亡者数32,800人。非常に発見されにくく、ステージ4での発見が6割近くを占める。予後も最も悪いがん。ステージ4での生存率は、1.6%とほとんど助からない。

喉頭がん

2015年の羅患者数4,700人、死亡者数1,000人。羅患者数は少なく、比較的発見は早い。手術率は40%程度と高くないが、ステージ3までの生存率は高い。ステージ1とステージ2の羅患者の割合が6割を超える。

肺がん

2015年の羅患者数133,500人、死亡者数77,200人。死亡者数が1番多い。ステージ1での発見が4割を占めるが、ステージ4での発見も3割近い。手術率は高くない。早期では生存率も高いが、ステージ2以降は著しく下がる。

乳がん

2015年の羅患者数89,400人、死亡者数13,800人。女性の羅患者数が1位。早期発見が多く、手術率、5年生存率が共に高い。しかし、再発が多く、5年生存率には再発治療中の人も多く含まれる。ステージ1とステージ2の発見が8割近くを占める。

子宮がん

2015年の羅患者数30,000人、死亡者数6,300人。早期の発見が多く、手術率も高い為、ステージ2までの生存率は高い。しかし、ステージ3では60%程度で、ステージ4では20%程度まで下がってしまう。ステージ1での発見が6割近い。

卵巣がん

2015年の羅患者数10,400人、死亡者数4,800人。早期発見が多く、手術率も高いが、腹膜播種を起こしやすい為、進行が早い。ステージ1では、90%ほどの生存率もステージ3以降は、40%を下回る。

前立腺がん

2015年の羅患者数98,400人、死亡者数12,200人。近年著しく増えている。排尿時に症状が現れるステージ2以降での発見が多い。ステージ3まではほとんどが5年生存するが、再発している人も含まれる。ステージ2での発見が5割を超える。

腎臓がん

2015年の羅患者数28,700人、死亡者数9,100人。血尿などの症状で早期に発見されやすく、手術率も高い。早期の5年生存率は高いが、ステージ3では70%、ステージ4では20%以下と著しく下がる。ステージ1での発見が5割を超える。

膀胱がん

2015年の羅患者数21,300人、死亡者数8,100人。血尿などの症状で早期に発見されやすく、手術率も高い。比較的浸潤しやすく、ステージ3の5年生存率は60%、ステージ4では20%を下回る。ステージ1での発見が5割を超える。

甲状腺がん

2015年の羅患者数17,900人、死亡者数1,800人。体表に近いがんですが、自覚症状がほとんどない為、発見が遅くなることもある。しかし、手術率は高く、5年生存率も非常に高い。ステージ4の発見でも70%を超える。