先端治療について

先端治療と言えば、お金のかかる自由診療が思い浮かぶとおもいますが、このページでは、保険診療も自由診療も両方扱えるように情報を常に集めていきたいと思っています。

また、厚生労働省が定める先進医療だけでなく、最新の技術であると判断したものや自由診療で有名な治療なども載せています。

先端治療もどれかが良くて、どれかが悪いという風なものではなく、組み合せると効果をより発揮するものなど様々です。

例えば、重粒子線は患者への負担が少なく優れた治療法ですが、再発への不安は手術などと変わりません。

抗がん剤などは、癌を完治させることは期待出来ませんが、手術後などに投与して再発防止の為に使うのであれば、一定の効果を発揮します。

お金に限りがある中での治療になるので、難しい選択にはなると思いますが、それぞれの長所を見極めて治療に望むようにしましょう。



メールマガジン無料登録。がん情報を無料配信中。





 

 



重粒子線・陽子線治療

夢の治療と言われている粒子線治療には、水素を利用した陽子線治療や炭素を利用した重粒子線治療が存在します。

値段はいずれも300万円前後で、先進医療に認定されているので、混合診療が認められています(先進医療特約のある保険ならば、治療に保険もおりる)。

粒子線は、癌(がん)病巣のみを狙い撃ち出来る為、周りの正常組織への影響を最小限に抑えることが可能と言う特徴があります。
放射線を使うとどうしても、癌(がん)組織へ到達するまでに正常な組織を傷つけてしまいます。
粒子線は、ブラックピークという一定進んだ後にエネルギーを放出するという性質を持っているため、癌(がん)病巣に致命的なダメージを与えることが出来、癌(がん)の完治が可能な治療法となっています。

治療は、負担が少なく、日帰りで治療帰りにゴルフに行ったりする患者もいるそうです。

受けれる癌(がん)が限られているのが難点なのと、一時期は放射線などの他の治療を受けていると重粒子線治療を受けれなかったり、転移があると受けれなかったりしました(現在は電話などで確認してください)。

これは、重粒子線の効果を確かめる為であり(放射線を重ねると副作用が出る可能性もあるという理由もある)、他の治療を行っていると重粒子線の効果が分からないということなどです。
転移があるとダメというのも、重粒子線が効かない訳ではなく、効果を確かめにくいという理由からです(将来保険を使える治療にする為に、データを集めていると思われる)。
※1つの癌(がん)を手術で取り、癌を1つにしてから重粒子線を受けた人もいる。

デメリットは、値段くらいです。
あとは、手術などと同様に目に見えない癌に対しては無力であるということです。
再発の可能性は、手術などと同様にあります。

治療可能な癌:肺がん、肝がん、前立腺がん、子宮がん、骨がん、膵がん、直腸がん、食道がんなど(治療施設により違いがあるので、電話で確認してください)。

また、重粒子線と陽子線を比べると値段は同じくらいですが、重粒子線の方が後に出来ただけあり(粒子が重いので)、優れています。
効果はそれほど変わらないと思いますが、治療回数に差が出ることが多いです(12回照射するところ10回で良いという風に。値段は1クールなので、回数によって変わらない)。

受けれるのであれば、迷わずお勧めする治療です。
※前立腺がんなど、一部では既存の治療法との比較で優位性を示すデータが得られなかったという報告書が提出されました(2015年8月)。

トモセラピー

放射線治療の一種。
強度変調放射線治療(IMRT)と画像誘導放射線治療を併用して使う。

通常の放射線治療と使う放射線は同じなのですが、放射の数が違う為、自由診療(保険診療は縦、横の2方向のみの照射にしか適用されない)でした。
しかし、2009年から保険適用が認められています。

通常、癌を退治するのに100%の放射線量が必要だとすると、縦と横から50%ずつの放射線を癌(がん)病巣にあてると、癌(がん)に100%の放射線量を当てることが出来るので、がん細胞を死滅させることが出来る。

しかし、現実的には50%も放射線を当てると、その通り道である正常な細胞をも傷付けてしまうので、照射することが出来ない。

なので、これを縦、横2方向ではなく、多方向から少量づつ照射して癌(がん)を死滅させようとした試みを持った装置がトモセラピーです(10方向から10%づつ照射するというような装置)。

従来の放射線治療に比べ、正常な組織への負担が著しく少ない為に、副作用は少なくなるが、癌(がん)病巣への放射線量は多いという優れた装置です。

問題点は、癌(がん)病巣が体のど真ん中にあることが少ない為に、放射線の照射量の計算が難しいという点です。
それをきちんと計算出来る先生が少ない為に、きちんと使えれば優れた装置にも関わらず、計算を間違うと副作用につながることになる可能性もあります。

信頼出来る先生がいる病院であれば、迷わずお勧めする治療方法です。

ただ、放射線は重粒子線や陽子線と違い、体に当たった表面が一番放射線が強く、体の内部に行くにつれ、弱くなっていくので、副作用が全くない訳ではないです。

放射線を当てる訳なので、他に癌(がん)が新たに出来る可能性もゼロではありません。

免疫療法

従来の免疫療法は使いものにならない治療方法でしたが、最近は事情が違ってきているようです。

もともと、癌(がん)細胞というのは自己の細胞です。
自分の免疫機能が、癌(がん)細胞を異物と認識せず自己と判断する為に、免疫機能が作用せず、いくら免疫療法で免疫力をあげても癌(がん)細胞を攻撃してくれないというジレンマが存在していました。

じゃあ、まったく意味がないかというとそうではありません。

人の体では、1日に約5000個もの癌になる可能性のある細胞が作られていると言われています。この細胞の大半を、がん抑制遺伝子と免疫が抑えてくれています。つまり、非自己と認識された癌は免疫を高めれば抑制してくれます。

ただ、大きくなってしまった癌(がん)は、非自己と認識されなかった癌である可能性が高い為、免疫療法は期待外れに終わる結果が多かったのは事実です。
なので、目的の癌(がん)には一切効果がなかったが、目に見えない癌(がん)は消えている可能性はあります。

ただ、それだと効果がなかったということと同じ結果です。

なので、お勧め出来ない治療だったのですが、最近は癌細胞を認識出来るようになってきました。

免疫療法というのは、体内の免疫を司る細胞を取って、外部で培養して増やし、体内に戻すという治療方法です。

取り出す細胞は、免疫細胞であるT細胞とNK細胞です。

T細胞を取り出す治療はAT療法(活性化リンパ球療法)といい、癌を攻撃する中心となるT細胞を取り出し培養して増やす治療です。
しかし、今まで癌(がん)を非自己と認識しないでいたT細胞を、いくら増やして元に戻しても期待通りの結果は出ませんでした。

もう一つのNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を取り出して培養するNK細胞療法は、T細胞と違い、自己という標識を出さない癌を攻撃してくれます。

NK細胞は、増やせば増やすほど、効果が上がるのですが、T細胞に比べて、攻撃力は弱いので、癌を死滅させるほどの力はありません。

また、NK細胞は寿命が短いので、すぐに効果が弱くなるという欠点もありました。

そんな中で、樹状細胞という細胞が見つかりました。
樹状細胞とは、癌を攻撃する細胞ではないですが、攻撃するべき相手をT細胞に伝える細胞です。

この樹状細胞の働きを利用するDC療法(樹状細胞療法)が出て、免疫療法は大きな進歩を遂げています。

DC療法は、樹状細胞を取り出し、癌の情報を与え、体内に戻すという治療方法です。

これにより、T細胞に癌を非自己と認識させることが可能になりました。

治療を受けるには手術で摘出した患者の癌細胞がベストですが、人工的に合成した癌抗原を使って治療を行うことも可能になっています。

その他にも、体内に残っている癌組織に、注射で樹状細胞を注入させるという治療も存在しています。

なので、DC療法とAT療法を組み合せると免疫療法も効果の高い治療と言えると思います。

ワクチン療法

丸山ワクチンが有名ですが、ここで取り上げるのは「がんペプチドワクチン治療」です。

丸山ワクチンは、結核患者やハンセン病患者に癌患者が少ないことから、結核菌体より抽出された物質で、副作用がなく、延命効果が高いと期待されているワクチンです。
決めつけることは出来ませんが、治験において「効果なし」と結論が出ているワクチンなので、このサイトでは保留状態です(効果が出たという人も多いので、個人差が大きいワクチンなのかもしれません)。
治験の仕方が良く無かったという話があるので(抗がん剤と併用した)、丸山ワクチンを否定するものでもありません。良く分からないというのが、本音です。

ここで取り上げる「がんペプチドワクチン治療」とは、免疫療法の一種で、科学的でないと批判されてきた「ワクチン療法」ですが、検証可能な治療法として注目されつつあります。

がん細胞表面にあるのと同じペプチドを体内にたくさん導入し、がん細胞を攻撃する特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を大量に増殖させ、体内の免疫を高めることによって、癌細胞を殺す治療法です。

人工的に合成したペプチドを大量に皮下に注射すると、免疫系が活発になり、ペプチドに反応するリンパ球が集まってきます。原理としては、このリンパ球が全身を巡り、癌の細胞を見つけて殺すことを目的に行います。

がんペプチドワクチン治療が今までの免疫療法と違うのは、このような形で科学を導入することによって、原理に基づいて癌に対して、何らかの作用をしているかどうかを検証・評価することが出来ることです。

リンパ球の数が少ないと効果がないなどの欠点がありますが、リンパ球を増やす方法もあるみたいで、期待の大きい「第4のがん治療」とも言われています。

樹状細胞療法と似ていますが、個人的には樹状細胞療法の方が癌に対する効果が高いように感じています。

遺伝子治療

日進月歩に治療法が進み、近い将来、癌治療のメインとなる可能性の秘めた治療方法です。

金銭的にどれか一つしか受けれないのであれば、迷わずこの治療を進めます。

ただ、アメリカなどに比べて、日本はまだまだ遅れているのが現状です。
既に日本においても驚異的な成果を上げて来ていますが、これからますます発展していく治療方法であるのは間違いないと思います。

基本的に、癌が完治したというと、癌(がん)が治った訳ではなく、臓器が無くなっただけです。
胃癌が治ったというと、胃が無くなっただけで、大腸がんが治ったというと大腸が短くなっただけです。

つまり、癌を臓器ごと切り取るか壊すしか治療方法はありませんでした。

遺伝子治療は、その概念そのものを覆すほどの方法です。

癌(がん)細胞というのは、遺伝子の異常によって出来るものです。
異常が起きた細胞は、増殖が止まらないという厄介な性質を持っています。

通常の細胞なら、修復出来ないダメージを負った細胞は、アポトーシスという細胞の自殺とも言うべき機能が働きますが、癌細胞にはそれがありません。

これは、「がん抑制遺伝子」というものが働けない状態にあるために起こります。

癌(がん)における、遺伝子治療はこの抑制遺伝子を体内に送りこみ、癌細胞にアポトーシスさせようという取り組みです。

がん抑制遺伝子は数百種類あると言われていますが、日本では主要なp16、PTEN、CDC6kdRNAという3種類が主でした。

これに、近年「ゲノムの守護神」とも言うべきp53が加わり、驚異的な効果を上げています。

癌治療とは、基本的に目に見える癌を取り除くのがメインです。
それは、手術や放射線もそれが目的で行います。

しかし、目に見えないマイクロ転移と呼ばれる癌が体内に無数にあることも多く、癌を完全に取り除いても50%以上の人が再発をするのは、このマイクロ転移が成長するからに他なりません。

抗がん剤は、マイクロ転移を殺す為に投与するのですが、10%ぐらいしか効かないとも言われています。

遺伝子治療は、このマイクロ転移に対しても大きな効力を発揮するので、再発防止には最高の手段だと個人的には思っています。

また、メインの癌に対しても、驚くべき効果を発揮していて、遺伝子治療だけで完治したという症例も沢山存在しています。

癌細胞まで、抑制遺伝子を運ぶベクタ―も日進月歩で進んでいて、数カ月で違うものに変わっている可能性まである目まぐるしく進歩している治療です。

癌治療で完治した人や、家族が癌になったので予防の為であるとかすべてにおいて効果が期待、副作用がほとんどないことから一番お勧め出来る治療です。

欠点としては、日本においては、同じ遺伝子治療を行っている病院でも、効果が全然違うということです。
本サイトのメルマガでは、信頼出来る病院を探して配信していく予定ですが、全てを網羅出来るかどうか分かりません。

せめて、P53が入っているかどうかを聞くところから始めてみても良いかもしれません。

自由診療で、費用は200〜300万円くらい。
期間や治療内容によって大きく違う。

分子標的薬

分子標的薬とは、癌細胞の表面にあるたんぱく質や遺伝子をターゲットとして、効率よく攻撃する薬です。

細胞を破壊する抗がん剤と違い、分子標的薬の多くは細胞の増殖に関わる分子を阻害します。
副作用はあるみたい(抗体医薬品は副作用が高い)ですが、抗がん剤に比べて低いことと、病態形成の本質である原因分子標的が明らかになれば、高い治療効果が期待出来るという可能性は高い。

抗体医薬品と低分子医薬品の2種類存在し、抗体医薬品は効果が高いが、コストが高く、副作用も強いという欠点があり、低分子医薬品は、欠点はあまりなく、分子が小さい為、細胞膜の中や核にまで入りこむことが出来ます。

癌(がん)の増殖を抑える作用が期待できるので、免疫療法などと組み合せで使っている病院もあるみたいです。

ウイルス療法

実用化はまだ先ですが、治験は行っているみたいです。
※基本的に治験は無料なので、重粒子線を始めとした先端医療で聞いてみるのも一つの手です。

ウイルスを癌細胞に感染させ、ウイルス複製による直接的な殺細胞作用を利用してがんの治癒を図る革新的な治療法です。

がんの親玉のがん幹細胞までも死滅させるとも言われています。

放射線や抗がん剤では殺せないがん幹細胞を退治するので、再発の防止が出来ると期待されています。

BTNT(ホウ素中性子補足療法)

ホウ素中性子補足療法とは、ホウ素薬剤を取り込んだがん細胞だけを選択的に破壊し、正常細胞を傷つけず、腫瘍だけを殺滅することができる新たな治療法。

治療の難しかった脳腫瘍や転移がんにも効果的と言われています。

その原理は、正常細胞のなかに点在するがん細胞だけに特異的に集積するホウ素薬剤を体内に注入し、透過性が高い中性子を照射します。

症例も400を超え、信頼出来る治療方法として考えられつつあります。

脳腫瘍に対する治療においても、以前までは、開頭して照射していたのですが、最近は開頭せずに治療が可能になっているようです。

施設に話を聞きに行ったことがない為、正確なことは分かりませんが、夢の広がる治療法のように思います。

BTNT(ホウ素中性子補足療法)

ホウ素中性子補足療法とは、ホウ素薬剤を取り込んだがん細胞だけを選択的に破壊し、正常細胞を傷つけず、腫瘍だけを殺滅することができる新たな治療法。

治療の難しかった脳腫瘍や転移がんにも効果的と言われています。

その原理は、正常細胞のなかに点在するがん細胞だけに特異的に集積するホウ素薬剤を体内に注入し、透過性が高い中性子を照射します。

症例も400を超え、信頼出来る治療方法として考えられつつあります。

脳腫瘍に対する治療においても、以前までは、開頭して照射していたのですが、最近は開頭せずに治療が可能になっているようです。

施設に話を聞きに行ったことがない為、正確なことは分かりませんが、夢の広がる治療法のように思います。