終末期医療(ホスピス)について

基本的にいかなる医療の効果も期待出来ず、余命数カ月と判断される時期を、医学的に終末期と呼んでます。

ただ、医者によってはその判断は異なるのは確かです。

なので、「がん難民」と呼ばれる、自分の癌(がん)を治すことが出来る医者を探し求める患者が沢山存在して、社会問題にもなっています。

余命を言い渡された患者が自由診療などで完治に至った例なども多数存在することなども、そう言った「がん難民」の増加に拍車をかけているという事情もあります。

治療方法を探し求めるのも一つの選択肢ですが、必ず上手く行くものでもありません。
なので、残された余命を少しでも伸ばそうと延命治療を選ぶ人や痛みを取り除くことだけを選んだりと人それぞれです。

その選択が正しいのか、間違っているのかなんて誰も分かりません。
ただ、悔いの無いようにしてほしいと願うばかりです。

終末期医療のもう一つの大きな選択が、最後の時をどこで過ごすかです。
日本では90%以上の人が病院で過ごすと言われています。

その理由として言われていることの一つとして、患者が最後まで治ると思っているからと言うのがあります。

家族が不安だからという理由も大きいのですが、基本的に終末期を迎えた患者はその病院では治るとこはまずありません。

「もう治療方法がありません」とサジを投げた状態が終末期です。

病院での治療を諦めないのであれば、病院を移ることが大前提です。
しかし、その病院で治療方法がないのであれば、高い確率で、保険診療を行っている他の病院でも治療方法はありません。

なので、治療を探すとすれば自由診療になります。

高額なお金が必要になるのと、それでも治る可能性はないかもしれません。

自由診療を選択しないのであれば、患者の希望にもよりますが、貴重な時間を是非自宅で迎えて欲しいと思います。

少なくとも病院のベットで過ごすよりかは、気の知れた家族と一緒に過ごす方が余命は長くなると思います。

最後に新しい思い出も作ることが出来るので、自宅を選択して欲しいと思います。



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緩和治療について

終末期医療は、癌を治す治療よりも、患者の痛みを取り除くことに重点をおくことになります。

精神的苦痛などは、家族の愛でいくらかは緩和可能かもしれませんが、肉体的苦痛は愛では取り除くことは難しいです。

なので、「モルヒネ」という薬剤を使います。

「モルヒネ」は麻薬の一種なので、日本ではほとんど使わない医者や患者がいます。

もちろん「便秘」などの副作用もあります。
(薬でコントロール出来る)

最終的には患者本人が決めることですが、終末期医療で「モルヒネ」の投与をなるべく躊躇しないことをお勧めします。

量はいくら増えても構わないと思います。

患者の残り少ない時間から、痛みを取り除いてあげてほしいと思います。

痛みのない時間でなるべく多くの思い出を共有して言ってほしいと願っています。


化学療法について

進行がんの場合、終末期にも化学療法などの治療を行う場合が結構あります。

基本的に延命治療としての、化学療法です。

これについても賛否は分かれますが、重度の副作用が生じる可能性があることや、入院期間が伸びる、最後の日々を集中治療室で過ごすなどのデメリットがあります。

家族で良く話し合って化学療法を受けるかどうかを選択するようにして下さい。

治療をやらないという選択肢もあるということだけ胸に留めておいて欲しいです。


食欲をなくす

終末期では、食欲をなくし、出された食べ物や水分を取りたがらないことがあります。

その時は、食べ物や飲み物を強制してはいけません。
窒息につながる可能性があります。

しゃべれなくなる

終末期には、質問しても答えてくれなくなったり、しゃべらなくなったり、周囲に関心を示さなくなったりすることがあります。

ほとんどの患者は、しゃべれなくなった後も音を聞いていると言われています。

例え、反応しなくなっても、家族が患者の体に触れて話しかけたりすると患者の精神的な苦痛を取り除くことが出来るかもしれません。

終末期によくみられる症状

せん妄(ある人が錯乱し、見当識障害を来たし、はっきりと考えるまたは記憶することができない精神状態。激越を呈し、幻覚を見ており、極度に興奮していることもある。)、酷い疲労感、息切れ、痛み、咳、便秘、ミオクローヌス(短時間だけ突如として生じ、意識的に制御することのできない筋肉または筋肉群の強い収縮)、発熱、出血など。

症状にはせん妄や息切れのように、医師が治療でコントロール出来る可能性があるものもあるので、主治医に相談してみるようにして下さい。

ホスピス関連のサービス

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